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菊地凛子さんも知らなかった「バベル」の壁
簡単にリサーチしたレポートですが、媒体が決まらなかったのでここで発表させていただきます。

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「ハリウッド映画のバリアフリー度」
日本で35万人はいると言われる聴覚障害者。彼らが映画を楽しめるようになったのは、ごく最近のことだ。


(流れ)
健常者が生活している上では分からない闘いが、障害者の人たちの間にはある。映画「バベル」は菊地凛子さんが孤独な聾少女を演じ、高い評価を受けた。

この映画の日本シーンには手話指導と手話コーディネートで「きいろぐみ」が協力している。同組織はテレビドラマ「オレンジデイズ」でも手話の演出に全面的なバックアップをしている。

「きいろぐみ」は「バベル」日本配給の内容を知り、急遽署名活動を開始した。障害者を扱った作品なのに、障害者が全体を鑑賞できないというのだ。

問題となったのは、日本人の台詞に日本語の字幕がついていない点である。菊池さん演じる聾少女のように聴覚に障害のある人は、国内に35万人(障害者手帳を持っている人数のみ)近くいる。

集まった署名は書面で4万人分、ウェブ上で2000人分。これをもとにきいろぐみ代表の南留花さんがギャガに直訴、一般上映では字幕がついた。

南さんは「映画の上映に於けるバリアフリー」を最終目標に掲げている。
最近の日本映画は字幕のついているものが数多くある。「たそがれ清兵衛」も一部で字幕つきで放映され、聴覚障害者を喜ばせた。

ウェブでの署名に協力した「ウエブシェイク」は「日本語字幕の入っていない発売済みのDVDに、ネットから字幕を再生表示するシステム」を開発した。認知度が高まったこともあり、DVD「時をかける少女」では発売に合わせて字幕の配信を行った。

テレビ番組もデジタル放送は殆どの番組が字幕放送に対応しており、聴覚障害者が映像を楽しめる場面は増えてきている。しかし、供給する側の意識が視聴者から離れてしまうと、同じような事態が今後も起こるだろう。
by sake_writer | 2007-05-19 18:28 | ライター仕事

お酒は生きています。お酒を深く知ることが日本を、世界を旅するきっかけとなればと思います。
by sake_writer
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