滝野川の旧醸造試験所を訪問しました。

酒類総合研究所の東京事務所を訪問、施設を見学させていただきました。移動中に麹の香りがしたり、赤煉瓦の建造物の中はひんやりカビの香りがしたり、日本酒の面影が随所に残っていました。
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ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ここは嘗ての大蔵省醸造試験所です。滝野川といえば「全国新酒鑑評会」の会場として、年に1回酒造関係の人間が集まった歴史ある建物です。
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酒類総合研究所の本部が広島に移り、「全国新酒鑑評会」は広島で開催されるようになりました。それが、来年から入賞酒のみ東京のサンシャインにてお披露目があるそうです。

出品された997点のうち、入賞酒は508点です。個人的な意見を申しますと、「全国新酒鑑評会」の利き酒に参加するのは地域の特色や味の変化を知るためなので、入賞酒のみ東京に来るというのは、残念でたまりません。来年以降広島では製造技術研究会として開催されるそうで、一般の参加はできなくなるようです。

それでも1日で500種類の利き酒というのは貴重な体験です。数をこなして見えてくる特徴というものもあるので、来年もぜひ参加したいと思います。
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# by sake_writer | 2006-11-03 12:28
ゼリーフライが食べたい。
考え事をしながら電車に乗ると、間違って行田駅についてしまいました。乗る電車を間違えています・・・。本来なら秩父鉄道の行田市駅もしくは持田駅に行くべきでした。それでも地図を見て「これなら歩けるかな」と思い、そのまま食べ歩きをスタートさせました。

http://www.city.gyoda.lg.jp/kankou/furaimap_new/index.html

そういえば秩父鉄道の熊谷駅改札前で七輪を使って鮎の塩焼きをつくっていました。鮎の塩焼きに目を奪われて目の前を素通りしていたんですね。気を取り直して1軒目を探しますが、見あたらない。「閉店したのかな?」そう思い歩き続けると「じゃぱん亭」がありました。

地図と位置が違うのですが、「地図が間違っているのだろう」と気にせず中に入ります。ここは弁当屋でした。お母さんに事情を話してゼリーフライだけ食べさせてもらいます。「おかずが足りないときはゼリーフライをもう1品」といった貼り紙があります。惣菜のひとつですね。

出てきました、ゼリーフライ。
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ここのはおからが少なめで、ジャガイモコロッケのようです。ふーん、これが家庭の味なのかなと思い、2軒目を目指しました。

それから歩けど歩けど、目印になる通過地点が現れません。「じゃぱん亭」のお母さんは「30分くらいで行田市駅に着く」とおっしゃっていましたが、30分歩いても周囲は田んぼで、それらしき場所に辿り着きません。

実は地図に載っている「じゃぱん亭」と私が訪れた「じゃぱん亭」は別の支店だったのです。私は地図の縮尺を勘違いし、お母さんはかなり控えめに「30分」とおっしゃったのです。というか、この距離を歩く人間は誰もいなくて、計算が出来なかったのでしょう。

私はそれから2時間近く、歩き続けました。その結果ある駅に辿り着けましたが、とことん疲れ果ててそのまま東京に帰りました。

タクシーは通らないし喫茶店もない。ただ道路の青い標識に従って前に進むだけです。わざわざ行田に来て、足が棒になるまで歩いただなんて。

1時間も歩くと体の限界を感じながら、前に進むだけで何も考えられなくなります。「走れメロス」のメロスも道中こんな気持ちだったのかな・・・。帰りの電車ではぐっすり眠れました。
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# by sake_writer | 2006-11-01 10:01
熊谷でフライ焼きを食べました。
ゼリーフライとはなんぞや? ゼリーフライとは、埼玉県行田市が地域食として打ち出した食べ物です。中身はおからコロッケ。一説に「銭フライ」が「ゼリーフライ」となったと言われています。

さて、現地で情報を仕入れると「フライと言えば」「ゼリーフライ」とは限らないそうです。隣の熊谷や深谷では「フライと言えば」「フライ焼き」で、コロッケとは似ても似つかないものがあるとのこと。大変貴重な情報です。ということで、まずは熊谷駅に降り立ちました。
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20分ほど歩いて、フライ焼きの店「慈げん」を訪れました。メニューを見ると小麦粉は「農林61号」と「あやひかり」をブランドしているとあります。人気メニューを伺ったら「男性だったら肉フライか肉紅生姜、マヨ入りも人気」で、ソース焼きそばも一緒に食べる人がいるそうです。今日は食べ歩きをするつもりなので控えめに、肉紅ショウガの並(470円)を注文しました。
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フライ焼きはすべてネギ、キャベツ、切りいか、小エビが入っているそうです。チーズが入っているものもありました。食事はフライ焼きとソース焼きそばのみで、他に甘味がたくさんあります。
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思ったより時間がかかり、10分ほどで出てきました。見た目はお好み焼きです。細かな揚げ玉がたっぷりかかっていて、青のりが少々。一切れ食べてみました。もっちりした食感が特徴です。紅生姜がいいアクセントになっています。

食べ終わって店を出てもまだ昼過ぎの時間です。それではいよいよ行田に乗り込みます。
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# by sake_writer | 2006-10-30 13:15
埼玉の権田酒造に行ってきました。

権田酒造は籠原にあります。東京方面からだと上野や新宿から大宮経由で行けます。
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権田酒造
http://www.ksky.ne.jp/~gonda/

日本酒業界は先行き不安の話ばかりが取り上げられますが、権田酒造に伺って、心強い話を伺えました。

日本酒の産地として埼玉は影が薄いと思います。今までは「県単位での取り組みも殆どないのだろう」と思っていたのですが、いろいろと試行錯誤しているようです。

3年ほど前から試飲会を行ったり、酒造り学校を創設して若手を育てる取り組みも行っているようです。
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創業当時からある銘柄「清太喜」の額の前で、社長に立っていただきました。中村不折の筆だそうです。この日は八反錦が届き、すぐに仕込みが始まりました。

焼酎と比較されて日本酒が落ち込んでいるという話題が喧しいですね。焼酎はあらゆる業態が手を伸ばしたから全体の消費量が伸びています。

しかし、(日本酒も焼酎も扱う)居酒屋業態で、1店舗あたりの焼酎の売り上げ割合は落ちてきています。そういった数字はなかなか拾われませんが、日本酒業界では様々な取り組みが続けられています。

さて、せっかく埼玉にやってきたので、少し食べ歩きをしました。東京への帰りの電車に辿り着くまで、「走れメロス」が頭に浮かんでいました。その心は・・・次回書きます。
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# by sake_writer | 2006-10-29 05:16
善光寺の側の蕎麦
さて、試飲会を終え、日暮れが間近な長野駅前で一思案します。そうだ、蕎麦を食べに行こう。そう思い、善光寺の方角に歩き始めました。

時間的に中途半端だったので、オープンしていることを最優先に調べました。というか、前もって調べておきました。訪れたのは「手打ち蕎麦 二本松」です。選んだ要素は、そば湯が濃いという評判を聞いたから。

店に入ると、4名ほどの元気なおじさん方が宴会を始めていました。外見は蕎麦屋ですが、内装は居酒屋です。カウンターに座ると、アサヒの生ビールを注文しました。

お通しはおから。日本酒が程よく回った体に、冷たいビールが染み渡ります。黒板のメニューには魚や野菜を使った料理がたくさん揃っています。

店主におすすめを聞くと「長野の方?」いいえと答えると、「馬刺しを食べて行きなさい」とおっしゃりました。そこで「いなだ刺身」と「馬刺し」を注文。ここでお酒は「七笑」の燗酒に移行しました。〆は蕎麦。それを忘れないようにしながら、帰りの電車の時間まで居座ることにします。

「馬刺し」はふわっとしていて、おいしかったです。肉は冷凍すると脂が赤身と分離してしまうと聞いたことがあります。生で食べると違いが分かるそうです。だから冷凍せずに、すぐに口に入れられる生肉はふわっと感じたのでしょう。

さて、忘れていません、「大ざる」を注文。このタイミングで燗酒はおかわりが入りました。ざるそばに冷酒をかけて食べるのが好きな作家がいると聞いたことがありますが、私はそば湯と燗酒をハーフで割って飲むのが好きです。香ばしくて、後口がいいんですよね。

蕎麦は麺が細く、不揃いでした。つゆは出汁が強く、甘みがあります。時期的に新蕎麦に切り替わる前だったはずです、お酒が入っていたこともあり、「美味しい」という以上の認識もなく、食べ終えてしまいました。そば湯は、ちゃんと蕎麦の味がしました。

さて、今度は埼玉に行きます。また、9月に行った韓国の酒巡りの旅も、ここで報告させていただきたいと思います。
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# by sake_writer | 2006-10-28 00:25
長野の試飲会(其の二)
試飲の感想を記します。特に気になったものだけ取り上げます。


(蔵元)井筒屋酒造場
(主要銘柄)岩清水

ここは「岩清水」銘柄でいろいろな米で仕込みを行っています。「ひとごこち」を使用した特別純米は乳製品の香りがありました。蔵元はこの銘柄の酒に「切れの良い」「シャープ」といった言葉を並べているので、この香りは求めて得られたのではないのでしょう。


(蔵元)伊藤酒造
(主要銘柄)横笛

殆どが美山錦を使用したつくりですが、唯一「純米十年 古酒 不老」は「サトホナミ」という米で仕込んでいます。仙台の米のようです。穏やかに熟成した、控えめな古酒です。


(蔵元)遠藤酒造場
(主要銘柄)渓流

活性のどぶろく風「どむろく 渓流」は米の粒が残っていて、とろりとしています。甘みが強くて、17.5度というアルコールを感じさせません。ここは20年物の古酒を秘蔵しています。使用している米が「トドロキワセ」らしいということで、貴重です。


(蔵元)志賀泉酒造
(主要銘柄)志賀泉

私の考える長野らしい、山国の酒でした。「美山錦」を使用した純米酒は甘みや酸味のあるどっしりとした酒です。今後が楽しみです。


(蔵元)大信州酒造
(主要銘柄)大信州

長野で大吟醸といったらここの酒を思い浮かべます。冬場ということで、純米吟醸を燗酒向きとして推奨していました。決して薄っぺらくなくて、お燗でも飲み応えがあります。


(蔵元)大雪渓酒造
(主要銘柄)大雪渓

純米吟醸をいただきました。ナッツやドライフルーツと様々な香りが潜んでいます。これもある意味山国の酒と言えるでしょう。


(蔵元)天法酒造
(主要銘柄)天法

クリーミーだという純米を一口。確かにクリーミーです。染みいるようなミネラルを感じます。


(蔵元)菱友醸造
(主要銘柄)御湖鶴

「金紋錦」の純米吟醸をいただきました。前者は生酒のようなキレがあります。


(蔵元)古屋酒造店
(主要銘柄)深山桜

「深山桜 特別純米原酒 和和和」今年の新商品で、炭濾過をしない酒。金沢系の酵母を使っていて、プルーンに似た甘みがあります。


(蔵元)北安醸造
(主要銘柄)北安大國

「北安大國 濃醇原酒」はナッツの香りがあり、ドライな飲み口。10ヶ月熟成させているそうです。



(蔵元)宮坂酒造店
(主要銘柄)海津桜

「遊学城下町」「真田十万石」どちらもチーズの香りがあります。最近はこのような香りの日本酒が意図的に造られ、酒屋が積極的に扱う例もあるようです。


今回、せっかくの長野訪問だということで郷土(ご当地)料理を食べたいと思っていました。最初はローメンをと考えましたが、日帰りで伊那市と長野市を訪れるととても慌ただしくなるので、断念。長野市といえば善光寺、そして蕎麦。というわけで、試飲を済ませてほろ酔いになると、蕎麦屋の暖簾をくぐりました。この話は次回に書かせていただきます。
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# by sake_writer | 2006-10-22 18:58
長野の試飲会(其の一)
長野駅の近くのホテルで「酒メッセ 2006」が行われました。長野県内の蔵元60が集まっています。誰でも参加が出来る試飲会です。長くなるので、3部構成でその模様をレポートさせていただきます。

10月も中旬になると長野では紅葉が見られるのですね。山の9割5分は緑でしたが、5分ほどは赤く染まっていました。長野駅は歩いて20分の距離に有名なお寺「善光寺」があります。善光寺までの道すがらにはそば屋がたくさんあります。そば屋のはしごも楽しそうですね。但し、早い時間に終わる店も多いです。どこから回るか、しっかり予定を立てた方がいいです。

長野市そばマップ
http://www.nagano-cvb.or.jp/soba/map.html

蔵元が60ということは試飲の数は200~300になります。この数なら3時間あれば蔵人とゆっくり話も出来ます。毎年参加している「全国新酒鑑評会」は試飲の数が1700ほどで、1種類にかけられる時間は15秒もありません。それに比べると恵まれた環境です。

長野や山形は県をあげての取り組みが盛んです。独自の酵母を開発したり、酒造米の研究で個性を主張しています。長野の「アルプス酵母」、山形の「出羽燦々」は随分知られるようになってきました。どちらも県内の酒造メーカーの殆どが酒造りに採用していることから、堅実に知名度が上がったと言えるでしょう。

まずは総評からお話しします。冷え込む季節ということで、熟成酒が多く出ていました。長野は「美山錦」や新美山錦とされる「ひとごとち」を使った酒の割合が多いです。最も有名な酒造好適米の「山田錦」は端正な酒を造ります。それに比べると「美山錦」は酸味と苦みがある、重厚な味になります。そういった意味で熟成酒は楽しみでした。

長野では麗人酒造の「酒古里」という、とても有名な長期熟成酒があります。今回は21年ものをいただきました。まろやかなお酢のような味になっていて、料理と合わせるのは難しそうです。

「アルプス酵母」で仕込むと、何と申しましょうか、山臭い酒が出来ます。試飲するときはテーマを持って、「これは必ず利こう」と決めて臨みます。基本的には純米酒から入るようにしています。今回は「美山錦」+「アルプス酵母」を選ぶようにしていたのですが、この組み合わせだと癖が強くて、蔵ごとの個性の違いがわかりづらかったです。そこで「山田錦」+「アルプス酵母」に切り替えて利くようにしました。

昨年から県(?)の指導で、「炭濾過を極力行わない」酒造りが推奨されているそうです。これはとても興味深い。2つの蔵元から話を聞きましたが、「なぜ炭濾過を行わないのか」「どのような酒に仕上げることを目標としているのか」明確なビジョンは伺えませんでした。ただ、炭濾過を行わないことによって、ごまかしがきかない酒造りを求められます。これは「日本酒は純米であるべきだ」という考えと同じくらい、力強い主張です。宮城の千田酒造「栗駒山」はいち早く炭濾過ゼロを導入した酒で、この酒の評価は大変高いと思います。

「長野県原産地呼称認証酒」は特別ブースが設けられていましたが、ここに足を向ける参加者は少なかったです。今回の場内は、全部をきちんと回ろうと思っていた人にとって分かりづらい構造をしていました。各蔵元のテーブルにはメインの銘柄が記されているのですが、出品ガイドは蔵元の会社名で並べられています。日本酒のラベルを見て会社名を調べないとどこの酒を飲んでいるのか分からないのです。

さて、続いてそれぞれの蔵元についてコメントしていきます。
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# by sake_writer | 2006-10-21 18:36
ご挨拶。
酒ライターの山越と申します。06年よりフリーで仕事をするようになり、知人のアドバイスをいただいてブログをスタートさせることにしました。

まずは、簡単にプロフィールを記載させていただきます。

利酒師とビアテイスターの経験があります。04年頃は飲食についてのニュースや飲食店のガイドを執筆していました。その後外食企業の料飲チーフを経て、フリーの酒ライターになりました。

最近は『AERA』06’8.14-21合併号で「ワインを超える絶品ビール」を担当させていただきました。

時代の動きを知るためにも、試飲会には可能な限り参加するようにしています。05年は5000種類ほどのお酒をいただきました。今年はまだ2500種類ですが、たくさんの素晴らしいお酒に出会えました。

ここではお酒にまつわるいろいろな話を書かせていただきます。現在青山の飲食店の取材をしているので少し時間がかかりますが、まずは先日10月17日に参加した「長野酒メッセ」について書きたいと思います。
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# by sake_writer | 2006-10-19 06:34
  

お酒は生きています。お酒を深く知ることが日本を、世界を旅するきっかけとなればと思います。
by sake_writer
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