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蕎麦食い 大森「布恒更科」
もうちょっとあれやこれやと食べてみたいと思い、再訪しました。前回は平日の訪問で店内はがらりとしていましたが、今回は休日です。待つことはありませんが、ほぼ満席でした。ゆっくり飲む計画を改め、蕎麦を食べてすぐ帰ることにします。

頼んだのは深川蕎麦です。利用者の平均年齢は高いですね。皆さんこの店オリジナルの蕎麦を頼んでいます。百合根蕎麦ってどんな蕎麦なんでしょうね。

さて、登場しましたアサリのかけそば。ワケギをくたっと煮て、細かくカットしたアサリと貝割れにさっと火を通しています。柚子が一かけ入っています。

つゆは例の醤油です。かけにすると八丁みそのごとく、コクが感じられます。その分鰹節の風味などが覆われてしまいますが、アサリ出汁がしっかり感じられます。

蕎麦が熱い! 相変わらず蕎麦切りが正確です。アサリや鰹節や蕎麦といった素材を主役に押し上げるような演出はありません。ありきたりの1杯の蕎麦。でも、これをありきたりとして食べられるのって東京だけかもしれません。京都で食べ歩いてそのことに気がつきました。

次回は日本酒と肴、そして生粉打ちですね。
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by sake_writer | 2010-11-23 02:13 | 食べ歩き
ミシュランガイドを10倍楽しむための予備知識
今年もミシュランガイド東京(横浜)が発売されます。11月27日だそうです。先日ミシュランガイドの覆面調査員の話を聞く機会があったので、ここでミシュランの調査の特徴についていくつか書いてみます。

ちなみに私は初年度にミシュランガイド東京の取材をさせていただきました。雑誌『女性自身』でミシュランが日本人の覆面調査員を募集しているという記事を書いています。

元同業だからでしょう、私は覆面調査員を「おそらくそうだろう」と見破りました。お店をやる人間が覆面調査員だけを意識するのはいいことだとは思いませんが、お客さんの求めるものを読み解くことは大切です。ミシュランガイドの本質を知るべきでしょう。

さて、まずは覆面調査はどのように行われるかを見ていきましょう。

覆面調査員が調査として行う行動は4つあります。見る、聞く、味わう、記録するの4つです。

ミシュランは「皿の上の料理だけを評価する」というスタンスです。これを料理人の腕だけで星がつくと考えるのは間違いで、サービスマンが最もおいしい状態で料理を提供するということまで含まれます。この点について、調査員はとてもよく観察をしています。しかし、調査員はそれと疑われてはなりません。通常は複数名で来店し、ごく気づかれないように観察します。連れの肩越しであったり、目の端で見たり、窓ガラスの反射で観察したり。

「聞く」というのは店のスタッフに料理法や素材、個人的なリクエストに応えられるかを聞くということです。

「味わう」というのは食べること。味覚というものは個人差がありますが、料理の評価は細かくテキスト化され、採点されるようになっています。これは相対比較するためにも重要な点で、ミシュランの調査は調査員の自薦があり、偏りや癒着を避けるためにも厳密なものであるはずです。もちろんその基準は極秘(アイズオンリー)です。

「記録する」という行為について。私の調査員時代はあからさまな記録が禁じられていました。メモしたり、デジカメで撮影したり。どうしても記録する場合はちょっと携帯電話を使う、あるいはトイレに行ってメモをとる、などしていました。この点、ミシュランは規則が緩いですね。メモをとってばれたという話を聞いたことがあります。そしてデジカメ撮影をしているのを実際に目にしたことがあります。

調査員が名乗る前にそれとわかった理由はいくつかあります。まずは「店のあらゆる料理を味わい、穴のない評価にしよう」として少々不自然な行動をとったこと。通常なら食事の最初に頼むであろう料理を、なぜか食事の最後に追加注文していました。ミシュランの調査員は目立つことに対して無頓着ですよね。当初は欧州の調査員が中心で、日本語も拙かったと聞いています。

そして調査員は厨房の方をじっと観察していました。目立たないように。店のいろいろなことに注意を払っている割に一線を引いて観察している。これが彼らの特徴です。

いくつかの経緯を経て私は彼が調査員であることを確認しました。ミシュランの覆面について参考になる情報がウィキペディアにあります。私の知る限り正確そして精密に分析しています。機密にあたる情報まで書かれていますね。

ウィキには自薦OKとあります。私の接触した調査員もそう言っていました。「そもそもどの店が候補になるのか」というのは東京版が「認められる」ための課題となっていました。初年度は日本のグルメ家に協力してもらったと聞いています。これは山本益博でしょう。確信犯的に東京版と刊行日をかぶせて自著を出しましたしね。

初年度は多くの批判を受け、反省をふまえて日本人調査員を採用し、少しずつ日本に「馴染んできている」ミシュランガイド。「調査が覆面ではない」という根本的な疑問は解消されていませんが、「これまでのグルメ本に比べればましではないか」というのも正直な感想です。

とは言え、ミシュランの調査員は脇が甘い。自薦OKということを外部の人間に漏らすし、本名を名乗らないのに店の会計をクレジットカードで済ませています。さらには、取材・撮影をするために身分を明かしたスタッフが、後日改めて店を利用することもあるそうです。眩暈がするくらい脇が甘いですねえ。

ミシュランガイドは個別に見ると、いくつもの疑問が持ち上がります。私が個人的に気づいた疑問をひとつ挙げます。これは京都の蕎麦屋「にこら」(一つ星)で発見しました。

日本の伝統的ではない調味料を、伝統的な料理の中に「混ぜる」ことをどのように評価しているのか。そもそも、この事実に気づいているのか。

これらのことをふまえて今年のガイドを読み、食べ歩きをするとよりいっそう楽しめることでしょう。
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by sake_writer | 2010-11-21 04:25 | 読む聞く知る
蕎麦食い 東村山「土家」
このお店は若い夫婦が営んでいます。ひとつ一つの仕事を丁寧に確認しながら進めています。このお店の魅力は蕎麦ではなく、料理です。しかし料理の進行は結構時間がかかるので、そのことを勘案して利用すべきでしょう。

自家製の漬け物はずいきの甘酢漬けと蕪の千枚漬けでした。たまたま種類が少なかったのですが、丁寧な仕事ぶりで堪能させていただきました。

野菜の炊き合わせは蕪、里芋、サツマイモ、大根、白菜を揚げで包んだもの。それぞれに味を含ませてあります。見た目に美しく、味が優しい・・・。

この店は小川沿いにあり、そしてお昼は日差しが窓ガラスを輝かせ、雰囲気が格別です。

もり汁は燻製香が強いのが独特です。蕎麦切りに関しては、麺の太さがまばら、ぽろぽろに切れているなど、まだまだのレベルです。
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by sake_writer | 2010-11-20 19:07 | 食べ歩き
放送禁止トークまんさいの?焼き肉屋
元大相撲力士「貴闘力」が焼き肉屋を始めたそうです。

焼肉本店 ドラゴ
http://r.gnavi.co.jp/gacj900/

「親方との相撲トークもお楽しみください!」とぐるなびHPにあります。そっちの方が気になってしまいます・・・。
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by sake_writer | 2010-11-19 09:06 | 読む聞く知る
蕎麦食い 東長崎「手打ち蕎麦じゅうさん」
電車を利用して訪れる方にとって、店までの道のりは不安になるでしょう。遠く、そして「こんな場所に蕎麦屋があるのだろうか」という立地にお店があります。

それでも信じて大きな車道沿いに歩いていくと15分弱で辿り着きます。

店に入ってほっと一息。駆けつけ1杯。日本酒は冷酒で5銘柄ほど、燗は金鶴だそうです。ぬる燗ともりを注文しました。金鶴は醸造酒の甘さとアル添の辛さ、苦みがそれぞれ感じられます。

この店の蕎麦の特徴は「濃口醤油を素材の一つとして計算している」点に見られます。蕎麦や鰹節という素材を活かすために醤油を目立たなくする蕎麦屋が多い中、この店は濃口を活かし、それが突出しすぎない蕎麦を実現しています。

通常、蕎麦において瑞々しいという表現はプラス評価ではありません。なぜなら瑞々しさは素材の活かし方ではなく、蕎麦の洗い方に由来するからです。そして瑞々しさは蕎麦本来の欠点を覆い隠します。

ところがこの店の蕎麦は瑞々しく、それは欠点を隠すためではなく醤油をも活かす計算の中でプラスの効果が見られます。

もりは蕎麦の基本、食感および喉ごし、甘さ、風味、蕎麦切りの正確さにおいて喉ごし、風味に特徴を感じました。しっとりとしていて、蕎麦の心地よい香りが抜けます。

にしんと冷や奴を追加します。にしんは身が柔らかくて、ねっとりと甘みが凝縮しています。

通常にしんはにおいを抜く下処理に数日かかります。そしてその処理にどれだけ手間をかけるかが料理としての出来として評価されます。「臭みがなくぱさつかない」にしんを目指しています。

ところがここのにしんは臭みが感じられず、それを覆う意味合いでの醤油味もありません。にしんの香味とその味わいに照りを出すための醤油味だけで、素材の良さをそのまま出しています。添えられた箸で切れるほどとろとろになった昆布も雑味が感じられません。

冷や奴は木綿豆腐に自家製という湯葉がのせられています。大豆のさっぱりとした風味が感じられます。

天ぷらと田舎蕎麦を追加しました。あべかんの冷酒を頼み、ゆっくりと流れる時間を楽しみます。

エビ、椎茸、里芋、オクラのてんぷら。衣が薄く、素材の食感が感じられます。火の通りがほどよく、噛むと素材のうまみがじゅわっと出てきます。

田舎蕎麦は切れ切れで、そのためにドーム状の盛りつけにしています(平らに盛ると箸でつまみにくいので)。量は90グラムくらい。食感に特徴がありますが、香りはもりそばの方が勝っていたと思います。

料理の種類は10種類くらいだったと思います。蕎麦前を楽しむには、物足りない品数です。料理は醤油味のものが多く、その点も地味に見受けられます。周りのお客さんは蕎麦を食べに来ていて、飲みながらつまむという方はいませんでした。

醤油という素材を積極的に活かす調理法、バランスのよい仕上がり。シンプルに素材を感じられるもり蕎麦において、この店の真骨頂を味わえます。
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by sake_writer | 2010-11-17 18:53 | 食べ歩き
蕎麦食い 西荻窪「くらま」
蕎麦好きの知人から「この店は独学で蕎麦打ちを極め繁盛している」と紹介されました。独学でどのように手打ち蕎麦を習得したのか、気になっての来店です。

メニューは3部。蕎麦と酒、肴が別メニューとなっています。酒が20種類くらい、肴は10種類強。日本酒は1合か半合を選べ、リーズナブルです。

四季桜の本醸造は1合で500円。なめらかで後口は溶けて消えます。カラフェとガラスのおちょこというのは味気ない演出ですが、満足度は高いです。濃くて甘い緑茶も添えて出されました。

穴子天せいろを注文しました。「そばは一緒にお持ちしますか」と、酒飲みへの気遣いもあります。

やってくるのは常連さんが多いようで、その会話は温かいものです。長く愛される店はどこもそうですよね。

約10分でお盆にのった穴子天ぷらと天つゆ、塩、蕎麦のセットが出てきました。穴子は想像の2倍のボリュームです。身が大きくて、衣も多めです。単品で1100円というお値段ですが、充分に納得の量です。骨も揚げてあり、香ばしくポリポリとかじります。

しかし残念ながら、穴子は臭みが強く出ています。1.5尾の穴子すべてが臭い、塩では食べることができませんでした。天つゆは鰹節の香りがしっかりしており、これにたっぷりと浸していただきます。それでもショウガを入れないとにおいが気になります。

そして蕎麦が来ました。100グラムくらいです。有機栽培の常陸秋蕎麦、新蕎麦だそうです。

もり汁はまず酸味と塩分を感じます。線の細いタイプですね。蕎麦は太さがまばらです。細くて、エッジが立っています。そのまますすってみました。

蕎麦の基本、食感および喉ごし、甘さ、風味、蕎麦切りの正確さにおいて食感に特徴を感じました。弾力があります。つなぎが特別なのでしょうか。蕎麦の温度は12度くらいで、ぬるく感じます。これは店の考え方次第です。冷やせば食感に優れますが、甘さなどが感じにくくなります。

もり汁で食べると、うーん素材(蕎麦、鰹節、醤油)の風味がどれも感じられません。個別に味わってもそれぞれ弱かったのですが、一緒にすると残るのは食感のみです。そば粉を混ぜた冷や麦といった印象でした。

素材の組み合わせ、そして素材の活かし方、どのように考えてこうなるのでしょうか。独自の道を歩む蕎麦屋さんでした。
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by sake_writer | 2010-11-17 12:09 | 食べ歩き
よしなしごと
日本酒専門とする飲み屋が増えていると実感します。本格焼酎は最近の10年で消費量が倍増しました。ピークは過ぎていまして、これから大きな落ち込みが予想されます。その分日本酒がブームになるかといいますと、それもないでしょうね。本格焼酎ブームは「誰もが手軽に手を出せる」ことと「飲食店が儲かる(原価率が低い)」こと、「歴史を塗り替える新しい造り手が登場した」ことが大きな要因となりました。日本酒の業界にこれと同じ要素は見あたりません。

日本酒に力を入れる飲み屋の方と話をしていると「今がチャンス」だが「日本酒を専門とする店は管理等々手間がかかる」と言います。そうでしょうね。その分、専門店は志を持って店に立つ店主がいます。

焼酎と日本酒の業界に共通する問題点といえば、専門家が育たない環境が挙げられます。フランスがワインの専門家としてソムリエを全世界に広めていったのに対して、日本は打つ手がない状態です。問題意識を持つ方は何人もいるのですが、団体として、資格(バッジ)制度が確立していかないことには、業界全体の底上げにはなりません。

やはり期待がかかるのは大塚の日本酒はなおかさんでしょうね。彼の活動は10年単位で業界を変えていく原動力になると思います。
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by sake_writer | 2010-11-17 01:48 | 読む聞く知る
蕎麦食い 祐天寺「月心」
この店に来て席に着くと、安心します。料理への期待、そばへの期待が高まります。

からみどりはごまと辛み大根と鶏ささみという組み合わせ。さっぱり。

里芋きのこ餡かけは揚げた里芋の地味がたっぷりと感じられます。えのきとえりんぎ、しめじとまいたけが香り豊かに、食感を楽しませてくれます。味付けもとろみも控えめ。益荒男ぬる燗と一緒に。

もり蕎麦はさっぱり、鰹節の風味がメインとなった組み合わせ。余韻まで楽します。
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by sake_writer | 2010-11-16 04:05 | 食べ歩き
蕎麦食い 豪徳寺「あめこや」
「カフェ風の内外装からは想像のつかないまっとうな蕎麦屋」という噂を聞いておりました。場所はわかりづらくて、ずいぶん迷いました。

生ビールはプレミアムモルツ。ピルスナーグラスで供されます。お通しが炒り豆。

ランチはセットメニューとサイドメニューのみで、内容が限られています。セットは天ぷら、魚料理、肉料理の3つから1つを選べて、蕎麦も温かい蕎麦か冷たい蕎麦を注文できます。

カフェっぽい雰囲気から、お客さんは女性のみ。土日のみランチも営業しています。

酒肴3点盛りはイカの塩辛、生からすみ、みそ漬け豆腐。塩からはコクがあって、ありがちなひねた辛みは出ていません。みそ漬けはほどよく白みそが浸みていて、塩辛のワタを絡めるとまた別の味わいがありました。どれも左党泣かせです。二口ずつの量をお手頃な値段で用意しています。2名以上の利用ならば単品を注文する方がいいでしょう。

日本酒は7種類がメニューに載っています。ひやおろし等の季節ものを数種類入れて、通い客にも飽きない内容となっています。

飲み比べセットがあったので陸奥男山と斬九郎を選びます。700円というリーズナブルな値段で、それぞれ90CCほど注いでくれます。

陸奥男山は豆腐や塩辛に合わせて、吟醸香がすっきり口中を洗ってくれます。斬九郎はコクとキレがあり、炒り豆が合います。

ランチセットには作り置きの卵焼き、ご飯、おひたしがついています。カフェ風にワンプレートの盛りつけでした。

十割というもり蕎麦は麺が10センチ程度に切れてしまっています。もり汁は薄口仕立てで、鰹の風味を前面に出したものでした。
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by sake_writer | 2010-11-15 19:51 | 食べ歩き
飲み屋を始める心構え。
さて、2010年も年末。私が宣言している「2012年に飲み屋オープン」まで2年弱となりました。

私がどういう店を作ろうとしているのか、なぜ私が飲み屋をやるのか、このブログを見ていただいていればわかっていただけるでしょうし、私の普段のひとこと一言、あるいはどんな人と会って情報交換をしているか、問題意識を持っているかをご存じであれば、概要はおわかりだと思います。

とは言え、実際にお店を始め、軌道に乗せるためにはもっと多くの方に私のこと、店のことを知っていただく必要があると思っています。最終的には5名程度のスタッフで切り盛りする飲み屋にしたいので、目標については何度もお伝えするべきだと思っています。

というわけで、区切りのよいこの時期、自己紹介をさせていただこうと思います。

まず、なぜ飲み屋をやるのかについて。なぜかと申しますと、私がお酒、お酒を造る人、そしてこの業界を愛しているからです。だからこそ最高品質のお酒を提供する飲み屋を作り上げたいと思っています。
※何度も書いておりますが、私は「好きな銘柄は」等々の質問に対して、銘柄をお答えしておりません。どんなお酒にも旬があり、私が過去に飲んだ銘柄を今もかわらぬ味として紹介するのには無理があるからです。
私がそのすべてを感知、理解しているとは思っていません。そして作り手は技術や経験を持って、生き物を相手にして、酒造りに取り組んでいます。
目の前にある(商品として完成した)銘柄をどのように飲むのか、提供するのか。その根拠として、その銘柄をどのように解釈し相対評価しているのか。私がお答えできるのは、そのような内容についてだけです。

愛しているからと言って関わり方は様々あるでしょう。私の場合は現場の空気に触れていたいという思いから、酒ライターではなく飲み屋の主人としてやっていく決意をしています。

飲み屋をやるにあたって私の経験値も書いておく必要があるでしょう。私は02年に利き酒師とビアテイスターの資格を取りました。しかし当時「これは私には必要のない資格」と判断し、2年後にバッジをはずします。

03年には軽井沢のホテルでサービスの勉強を始めました。1年間、フレンチレストランで下働きをします。その間に、縁あってビール醸造所に出入りするようになり、レストランと醸造所をかけ持ちで働きました。(そのときお世話になった石井さんも今はアメリカに帰り、寂しい限りです。石井さんは日本のクラフトビールの市場を広げ、歴史を動かした役者の一人でした)

04年に東京入りします。05年までは飲食業界を遊学する日々でした。この頃からお酒の記事を書くようになり、全国のビアバー、ブリティッシュパブ、アイリッシュパブ巡りをスタートさせます。正統派のパブで50軒、ビールを専門とする店としては全国100軒以上を飲み歩きました。今でもよく覚えている地方店は仙台「ハーフペニーブリッジ」や神戸「ウェックスフォード タバーン」など。それぞれの店の味を思い出します。

東京周辺では白銀「ボウラン」横浜「クラフトビアバー」沼津「タップルーム」六本木「パディフォリーズ」など、今でもお世話になっております。

その後2年弱、外食企業で働きました。最初の1年ちょっとは表参道の200席あるダイニングバーで働き、その後本社で料飲担当として全店舗の売り上げを見ていました。

06年より朝日新聞社でライターとしてお仕事させていただきました。08年まで常駐という形で、『週刊アエラ』『週刊朝日』で記事を書きました。2誌は勤務する記者も含めて朝日新聞社から朝日新聞出版に移されます。このタイミングで、これまで考えてきた「飲み屋を開く」べく準備をスタートします。ライターとしての経験から私は「飲食の安心・安全に責任を持つ」ということを自分に課しています。

店で扱うお酒は「和酒」あるいは「国酒」と呼ばれるものたちです。すべて国内で生産されている酒類で、日本酒とビールが中心となります。責任を持って販売するという考え方から、生産者の顔を知るお酒しか扱いません。今現在取り扱う方向で考えている銘柄はビールが「ベアードビール」、日本酒は「菊姫」「菊正宗」「松の寿」「開運」です。今後も蔵元巡りを続けますので、オープン時には10以上の生産者、30種類以上のお酒を用意するつもりです。

私は純米酒狂ではありませんし、大きな蔵元さんともその歴史を受け継ぐ、受けとめるために積極的にお付き合いしたいと思っています。店のカラーを持たないからこそ、広くて深い世界をまんべんなく並べたい。学ぶ場ではなく、楽しく飲んでいただくことが大切です。わかりやすい世界を提示することを念頭に置いています。

たとえば「菊正宗」は灘の酒。山田錦できもとだとその歴史を体験できます。「開運」は静岡。ならば本醸造、あるいは吟醸・大吟醸。昨年より新しい試みを始めた「雄町100%の仕込み」にも注目しています。

お酒は基本的に食中酒と考えています。しかし発泡性のものやにごり、そして長期熟成酒を扱い、食前酒や食後酒として楽しむこともできるようにメニューを組み立てます。料理は和食ですが、日本の風土が醸した珍味、発酵食に力を入れます。これらは食後酒と相性よく、店のコンセプトを補強してくれます。

この1年間は料理の勉強に費やしました。この年末に一茶庵の門をたたき、蕎麦の修行をスタートさせます。あくまで私はお酒をサービスすることを専門とするポジションですので、料理を仕込み、蕎麦を打つとしても飲み屋の営業中はお客様の席を回り、お酒の案内をして、お酒を提供するつもりです。お酒の理解を深める目的で、料理と蕎麦の勉強を続けております。

まだまだ語ることはたくさんありますが、折々で書いた方がいいですよね。長くなってしまいました。
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by sake_writer | 2010-11-14 16:18 | 飲食店を始めるまで。
  

お酒は生きています。お酒を深く知ることが日本を、世界を旅するきっかけとなればと思います。
by sake_writer
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