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酒のプロになる・・・後輩へのアドバイス
東京でも葉が色づいてきました。立冬が過ぎ、もう気分は冬に備えています。つい先日まで暖かい日が続いていましたが、今年はクリスマスまでに雪が降るのでしょうか。

自分はずっと飲食に関係する仕事をしてきました。特にお酒関係に力を入れ、利酒師やビアテイスターの資格を取りました(両方とも2年で辞めました)。

お酒関係の仕事を希望する人間はたくさんいます。ライター業の中にもお酒を専門とする先輩がいますし、外食企業でお酒の仕入れのプロになりたいという後輩を何人も見てきました。

お酒のプロになるってどういうことなのでしょう。私は時々後輩から相談を受けます。若い後輩は「プレミアム焼酎の仕入れ方」とか、こちらとしては答えようのないことばかり聞いてきます。この質問は酒屋でしても、相手を困らせるばかりでしょう。

酒好きと酒のプロの違いは何か。酒のプロになりたいという人間は多いのですが、酒屋巡りをしたり、テイスティングに足繁く参加する人間はとても少ないです。

日本酒の利き酒会場では、大半が知っている銘柄のみをテイスティングします。もしくは、純米酒のみとか、大吟醸のみとか、部分的にテイスティングしています。これでは参加したとしても、得られるものはごく限定的な結果です。

お酒のプロは、酒屋の経営者と同等以上の視野を持っていなければならないと思います。有名銘柄やプレミアム焼酎の話だけで商売を続けられるでしょうか。

プレミアムのついたお酒は、有力な酒屋と安定した取引をしていれば通常価格で仕入れられます。まずは酒屋巡りをして、話をして、勉強すべきでしょう。

そうした上で、業界の方向性などを知ることが出来れば、プロとして仕事をしていけるのではないでしょうか。たとえば、最近まで、色のある日本酒は評価が低いものでした。なぜでしょう。

背景には全国新酒鑑評会の審査基準、吟醸酒ブームの時代があります。ところが現在、全国の都道府県は炭濾過を極力控えるよう指示を出しています。

「プレミアムは・・・」というような話しかしない後輩に、このような話をしても無意味だと思います。もし、目の前にプレミアム焼酎の造り手がいたらどんな話をしますか。そこで話のネタが見つからないようなら、時間をかけて勉強し直すべきでしょう。

まあ、私もかつては同じようなものでした。再び後輩と飲みに行けば、「しょうがないな」と思いつつ、1年後、2年後に期待してちょっとしたヒントを与えてしまうでしょう。
by sake_writer | 2007-11-10 06:51 | 読む聞く知る

お酒は生きています。お酒を深く知ることが日本を、世界を旅するきっかけとなればと思います。
by sake_writer
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