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サントリーとキリンの合併がご破算になった理由(酒類業界ニュース)
このブログでも「キリンとサントリーは企業文化が違いすぎて、合併は難しい」と申しておりました。合理的に整理されたキリンの社風と、時間とお金を贅沢に使って新しい文化を生み出そうとするサントリー。大手ビールメーカー4社の中では対極にありました。

外食産業において協賛金を廃止したキリン。対して、協賛金によって他社メーカーの取引先を奪ってきたサントリー。両者の違いを知るには、牛角がいい例です。昨年、各店舗のビールが一番搾りからプレミアムモルツに変わりましたよね。数年前から牛角の会社に対して、サントリーは大きな協賛金を以て専売契約を取ろうとしていると聞いていました。

それでもキリンとサントリーという組み合わせになった理由の一つは、サッポロとアサヒが比較的良好な関係にあることの裏返しでもあります。以前記事に書きましたが、62年にサッポロとアサヒは合併の話し合いをしています。スティルの株買い占めに際してアサヒがホワイトナイトになると噂されたのも根拠があります。

サッポロの"ギネスビール"がキリンに奪われた理由
http://journal.mycom.co.jp/author/0000055/

キリンとサントリーは両者の所有しているブランドをそれぞれ見ると、弱い箇所を補強できることがわかります。東京を拠点とするキリンと大阪を拠点とするサントリー。今後も合併のチャンスはあるでしょう。

一方で、サッポロは復活の芽が見えてきません。採算度外視の「麦とホップ」はサッポロのビール事業への思い入れを十二分に表明していますが、このような方向性はシェアアップ、経営力の強化にはつながりません。サッポロが今後取り得る方針は「より小さく、ローカルに、そして堅牢な経営」でしょう。
by sake_writer | 2010-02-14 18:27 | 読む聞く知る

お酒は生きています。お酒を深く知ることが日本を、世界を旅するきっかけとなればと思います。
by sake_writer
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